「世界一治安の悪い国」と呼ばれていたエルサルバドルが、近年は「中南米で最も安全な国」とまで言われるようになりました。実際、殺人発生率はワースト1位だった2015年の約105人(人口10万人あたり)から、2025年には1.3人程度にまで下がっています。
とはいえ、数字だけではその国の「肌感覚」はわかりません。この記事では、実際に2年間現地で過ごして感じたリアルな治安の実情を、私の体験ベースでお伝えします。
※あくまで1人の体験談であり、主観も入った印象が多分に含まれていることをご了承ください。
日中の治安:怖さを感じたことは一度もなかった

日が明るいうちに恐怖を感じた経験は一度もありませんでした。 市街地を歩いていても、身構えるような緊張感はなく、拍子抜けするほど落ち着いた雰囲気でした。
治安とは無関係だと今ではわかるのですが、お祭りやイベントがある際は、大き目のロケット花火(コエテ)を2本同時に打ち上げ、けたたましい銃声のような音がバン!・・・バン!と鳴ることがあります。
初めて聞いたときは田舎にいたため、猟でもしているのか、流れ弾が当たらないかと不安に駆られましたが、そうだと理解してからは、安心して過ごすことができました。(急に大きな音がするので、心臓には悪いのですが、、、💦)
全ての街を知っているわけではありませんが、エルサルバドルにある全14県には少なくとも訪れました。しかしどの県に行っても同様で、雰囲気の悪い街は1つもありませんでした。
夜間の治安:暗さと見知らぬ道への不安

夜遅くに出歩くと昼間とは状況は変わります。大通りから1本横に入れば、街灯が少なく、暗さが濃いエリアがすぐに現れます。
そのような道では、様々な危険がありました。
・思わぬところでマンホールや排水用の鉄網(グレーチング)が無く、穴が開いている。
・歩道の整備状況が悪く、街路樹の木の根でコンクリートが割れている。
・泥酔者が寝転んでいて絡まれるetc



明るい時間帯の様子ですが、壁が崩落してコンクリートブロックが転がったままだったり、木が倒れていたり、掘り起こした土がそのまま置いてあったりしました。
暗い時間帯では、転倒などの危険が高くなるため、このような道を歩く場合は特に注意が必要です。





特に、穴や、コケで滑りやすくなっている地面もありました。常に注意を払って歩く必要があり、明るいうちでも歩きスマホなど、気を取られていると大けがする危険がたくさんありました。
夜が深い時間に泥酔者がまだ飲んでいる場合は、声をかけらることもあるので、より注意が必要です。できる限り暗く細い道を避けて歩くのが良いでしょう。
住宅街と歓楽街は明確に分かれていることが多く、住宅街は、夜は基本的に閑静です(特別なイベントやお祭りがある日を除く)。

この写真のパセオ・エル・カルメンなどといった、首都圏や地方都市の最もにぎやかなエリアでは、深夜前後まで営業しているディスコやカラオケ、ビールバー(セルベセリア)などもあります。
この通りを抜けたり、一本通りをずらすと一気に静かになり、暗くなります。
夜の静かな道を歩く際は、不気味な感じはあるものの、悪いことをしてそうな、人相の悪そうで目を合わせたらヤバイ、と言った怖い人たちを見かけることはまずありませんでした。

こちらはショッピングモール。一般的なレストランなどは22時前後で閉店です。
たくさんのチェーン店が入っており、とても明るく、落ち着いた雰囲気で皆食事を楽しんでいます。
街角の風景:銃を持った警備員たち

店の前や街角で、銃を携行した警察官・軍人・警備員を日常的に見かけます。慣れないうちは少し圧を感じるかもしれませんが、これがこの国では当たり前の光景です。

こちらは山を登った時に、見かけた軍人たち。不法にドラッグなどを輸送する人がいるのか、わかりませんが、重要な場所には張り付いているようです。
2年間スリ・置き引きの被害はゼロだった

私は、結局一度もスリの被害に遭わず、その現場を見かけることもありませんでした(ちなみに2025年にアルゼンチンのブエノスアイレスへ旅行した際はスリを追いかけている光景を目撃しました。警察と盗られた人が、逃げる犯人に向かって走っていき、衝撃を受けました)。
人が多く集まる場所でも、財布やスマホを特別に警戒するような緊張感を持たずに過ごしていました(このような状態が一番危険なのですが💦)。
しかし、そういった場所では鞄の奥に貴重品は締まっておくなどの最低限の安全は確保することが良いでしょう。
もちろん油断は禁物で、知り合いにはバス乗車中にボディバッグを開けっ放しにしていたようで、降りた後に見てみたら財布がなくなっていたことがありました。警察に届け出をし、バス会社の本部にもいって問い合わせをしたのですが、見つからず。。
落としたのか、盗られたのかはわかりません。
明らかに盗れるというような状況では盗られてしまうことは日本でもあり得ますので、安全に関して気にしすぎず、そして気を抜きすぎずというのが良いのかなと思います。
備考)財布の置き忘れについて

そのほか、私は2度、タクシーに置き忘れをしましたが、幸運なことにどちらも返ってきました。( ;∀;)
一度目は財布です。InDriveという配車アプリを使って乗ったタクシー内に財布を忘れてしまったのですが、試行錯誤の末、運転手と連絡が取ることができ、次の日に届けてもらいました。(通常どおり乗って、乗車が完了していれば、アプリ内で運転手の連絡先が分かるため、後日の連絡が可能です。)
中身に変化なく返してもらうことができました!!( ;∀;)
聞いたところ、財布の中に入っていた私の身分証を確認し、私と連絡取れるまでは大使館に持っていこうとしてくれていたみたいでした。
もう1件は折り畳み傘です。ユニクロの物ですが、同様の品質の物はなかなか手に入りません。Uberを利用し、別の運転手でしたが、それも届けて頂きました。( ;∀;)
このように、やさしい方もいます。
観光名所でも、ぼったくってやろうという物腰で来るような人もおらず(これはいつまでかはわかりませんが)、交流を自然に楽しみながら過ごすことのできる国だと思っています。
都市部と地方の違い

地方に行くほど、夜のレストランやバルの営業時間は短く、街全体が暗くなる傾向があります。一見寂しく感じるかもしれませんが、変に賑やかすぎない分、健全さを感じさせる落ち着いた空気がありました。なので、暗い中でも周囲に警戒しすぎることなく、落ち着いて外へ出て近くの売店や飲食店などに出歩くことも可能でした。

こちらはウスルタン県のベルリンという小さな街の夕方の様子です。人はいるものの、たくさんが出歩いているわけではなく、シャッターがすでに閉まっているお店も多かったです。
野良犬はいるので注意が必要ですが、街中にいる個体は比較的縄張り意識が低く、穏やかです。
まとめ
日中はまったく問題を感じず、スリなどの軽犯罪にも遭遇しなかった一方で、夜間の暗さや見知らぬ道特有の不安、路上で寝ている人の存在など、注意しておきたい場面もありました。銃を持った警備員の存在は最初こそ驚きますが、次第に日常の風景として馴染んでいきます。
補足(データ面について) エルサルバドルは2022年から続く治安政策(例外状態)のもとで殺人発生率が劇的に低下しています。一方で、その集計方法や人権上の側面については人権団体から懸念も示されており、統計をどう捉えるかは議論の余地があります。この点をさらに詳しく知りたい方は、別記事でデータをもとに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
現在の政権でこの緊急事態宣言中において、エルサルバドルに旅行する、長期滞在するといった目的で来られる方は、安心して尋ねることができると自信を持って言えます。
安心して尋ねて頂けたらと思います!!!
